6-3 レポート・論文の作成手順

いきなり書き始めるのは失敗のもとです。レポートを書くために必要な手順とルールを覚えて、ひとつひとつの作業を積み重ねていきましょう。

STEP 0書きはじめる前に

①課題を確認しよう
課題で出されたレポートの条件(テーマ、提出日、分量)を十分に確認します。そのつぎに、「テーマ」について自身の知識はどれくらいあるか考え、頭の中を整理しましょう。

②スケジュールを組もう
それぞれの工程にどのくらい時間をかけるか、提出期限から逆算して、タイムスケジュールを作りましょう。

STEP 1仮の問いを立てる

レポートでどのような問いを明らかにするのかを設定しましょう。論証のプロセスを想像しながらレポートの字数・枚数に合わせて考えます。

STEP 2情報収集

文献などの根拠となる情報収集をしつつ、アウトラインを書きます。

情報を集めたり、資料を読むときは…
☑「問い」の参考になる論文や記事はあったか
☑「主張」の参考になる論文や記事はあったか
☑「根拠」の参考になる論文や記事はあったか
☑参考にしたいと思った言葉や文節、文章があったか、調査結果やデータがあったか 論文執筆のときに読み返したり、引用したり、裏づけとしたりできるように、集めた情報を分類して整理しておきましょう。

大学生にとって大切なのは先行研究を探すことです。論文を探すときにはCiNiiを使ってみるとよいでしょう。(3章-5を参照)

ステップ2から3は行きつつ戻りつつ、自分の書きやすいところからでいいのです!

STEP 3執筆する

アウトラインをふくらませます。論述、推敲をし、最初にたてた「問い」を、微修正しましょう。

アウトラインは骨組みです。
①資料集め(写真・図表)
②章立て・小見出しのタイトルを決める
③書くべき項目のメモ(箇条書き) いよいよ執筆です。肉付けしていきましょう。
最初からいっぺんには書けません。
④メモから2割へふくらませ
⑤2割から8割へふくらませ
⑥8割から完成へ!

▼レポートは3部構成です

1 序論
序論は、自分が決めたレポートのテーマや何をどのような方法で明らかにするのかを書くパートです。レポートの目的を記した文=目標規定文(問い)が序論の中心となります。
例:このレポートの目的は日本の英語教育の問題点を明らかにすることである。
2 本編(論証)
本編は、自分の主張の妥当性を客観的に、科学的に示すパートです。
本論では問いに対する答えに到達するまでの思考(論証)の流れを示します。本論を執筆するためのアウトラインをふくらませ、どのような順番で何を論じていくのかを整理しておきましょう。
3 結論
結論は、序論と本論を要約し、今後の課題を示すパートです。

STEP 4形式を整える

引用・参考文献リストを作ります。引用や脚注、参考文献に記す引用元の情報の示し方にもルールがあります。
課題の指示を確認しましょう。

STEP 5提出

期限厳守で提出です。指定された方法で提出します。
(例:メールに添付,manabaで提出,印刷して紙で提出)

情報を整理しよう!チェックリスト

■課題の基本情報

1. どのような課題?  
2. 課題の提出日はいつ?  
3. 課題の分量(文字数・ページ数)はどれくらい?  

■情報収集

1. 指定された資料はある? YES · NO
2. 「問い」の参考になる資料は見つかった? YES · NO
3. 「主張」の参考になる資料は見つかった? YES · NO
4. 「根拠」の参考になる資料は見つかった? YES · NO
5. 参考になる調査結果やデータはあった? YES · NO
6. 集めた情報は分類して整理した? YES · NO

■「気になるテーマ」をレポートに発展させる手順

作業 自分の作業記入欄
1. 疑問や知りたいことを書き出す

例「日本の学力低下について」

2. 疑問文にする

例「日本の学力はどのくらい低下したのか」

3. 「なぜ」を用いた「問い」に変える

例「なぜ日本の学力は低下したのか」

なぜ、

4. 「問い」に対する仮説を立てる。

例「ゆとり教育によって学習時間が減ったから」

5. 仮説を検証する

例「学習時間の減少と学力低下に因果関係があるか」

6. 「問い」を修正する

例「日本の学力は本当に低下しており、ゆとり教育が学力低下の原因なのか」

※教養教育センター『アカデミック・ライティング・ハンドブック』コラムより

■形式を整える

1. 推敲はした?
  • 誤変換や誤字脱字はないか
  • 主述は一致しているか
  • ひとつの文章が必要以上に長文になっていないか
  • 同じことばの繰り返しはないか
YES · NO
2. 参考文献リストは作成した? YES · NO
3. 指定された体裁になっている? YES · NO